BABY DRIVER

ベイビー・ドライバー

お気楽犯罪コメディかと思いきや、意外や意外、シリアス路線へシフトする真っ当な青春犯罪アクションヒューマンドラマだった。
監督のエドガー・ライトって、サイモン・ペッグとかのチームの人じゃなかったっけ。
まずオープニングでグイグイ惹き込まれる。いわゆるツカミオッケーちゅうやつですね。やってることは紛れもなく犯罪なのに、まったく無垢な印象しか感じさせない主人公のキャスティングは見事。

しかしそんなイノセントな主人公がなぜずっとイヤホンで音楽を聴いているのかが判るに連れ、だんだん暗い影が差し込んでくる…ということにもならない。
一旦は解放されたヤバい仕事なのに、定石通りに再就職をせざるを得ない状況に追いやられるが、そんなボスが極悪非道な奴かと思いきや、そうでもない。意外と仁義を通すプロフェッショナルだったりする。
こういったお決まりのパターンを微妙に外すのが上手いと言えましょう。

そしてラストも至極真っ当で良識ある結末なのも非常に好感が持てるのだ。やっぱり映画はこうでなくちゃと改めて感じる。
»»鑑賞日»»2018/10/25

やっぱりエドガー・ライトはサイモン・ペッグとよく組んでいる監督だった。このチームの人たちは俳優兼監督兼脚本家兼コメディアン兼制作者みたいな人が多く、分類不可能な活躍を見せている。

この人の関わった作品で鑑賞済みのものを列挙してみると「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ランド・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」「アタック・ザ・ブロック」「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」「アントマン」と本作だ。こうやって見てみると意識したのとしてないのとあるが、かなりこの人の関連作品を観ていることになる。

しかし、監督として関わっている作品は世間的には割と評価が高いようだが、自分的にはドタバタ度が高くて、もひとつの印象が強かった。僭越ながら順位をつけるとすれば、「ショーン・オブ・ザ・デッド」が一番良かった。関連作品全体で言えば「アタック・ザ・ブロック」が文句無しの一位となるが、ここに来て本作がそれに匹敵するクオリティに躍り出た。やはり今作にはドタバタ感が全く無いのが良かったんだと思う。

●原題:BABY DRIVER
●制作年:2017
●上映時間:113min
●監督: エドガー・ライト
●キャスト:アンセル・エルゴート/ケビン・スペイシージェイミー・フォックス/リリー・ジェームズ
●星の数:★★★★☆


◉アタック・ザ・ブロック

おっと、世間的には評価が低うございますな。でも自分的には★★★★★なんですな。
札付きのワルだと思っていたクソガキたちが団地を守る。悪い奴に見えていた奴らが最後にはヒーローに見えてくる「なにわ金融道」にも通じる爽快感を味わえる。クサすぎずバカすぎず実に良く出来た映画です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です