CRIMINAL

クリミナル 2人の記憶を持つ男

これはイイ!久しぶりに文句の付けようのない作品に巡り会えた!
★の数は多いけど、正直期待せずにボタンを押したのが幸いした…といつもなら書くところだが、本作はそんなことも度外視して、手放しで褒めちぎりたい。
やはり何と言ってもケヴィン・コスナーでしょう。
自分の知っているケヴィン・コスナー像を見事に覆すケヴィン・コスナーがここにいる。「マン・オブ・スティール」で演じた清く正しいアメリカ親父のカッコよさとは175度くらい違うカッコよさが清々しい。もともとは感情を持たない凶悪犯という設定が物語のキモだと思う。そしてCIAの優秀愛妻家エージェントの面との融合具合が、大袈裟でなく実に上手い。
この2つのスペックがあるから、とんでもない荒事もするし恐ろしく知恵も回るという設定に無理がないし、その融合方法の表現が「これならあるかもしれない」と思わせる点もポイントが高い。これが笑っちゃうような表現だと全てをぶち壊してしまうのは必定ひつじょうだろう。その為にトミー・リー・ジョーンズ御大おんたいが召喚されたに違いない。
さらに、あの役をガル・ガドット姐さんが演じているのもポイントが高い。当たり前な話ながら、リアリティも大切だが、「映画」は夢の世界でもある訳だから、そんな所だけリアリティを追求して、そこいらのおへちゃがあの役を演じていると、記憶も蘇らんっちゅう話ですわ。これまた、その為に当代随一の美女が召喚されたのは言うまでもありますまい。姐さんの魅力が炸裂しておりますわい。
最後に最も重要なラストシークエンス。オリジナル版「ジュマンジ」に次ぐほどの幸福感に包まれる。「やっぱり映画はこうでなくっちゃ」を思い出させてくれるのだ。
»»鑑賞日»»2020/03/03»»Amazon Prime

●原題:CRIMINAL
●制作年:2016
●上映時間:113min
●監督:アリエル・ヴロメン
●キャスト:ケヴィン・コスナーライアン・レイノルズガル・ガドットトミー・リー・ジョーンズゲイリー・オールドマン
●お薦め度:★★★★★