DEMOLITION

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

この邦題から連想するような内容の映画ではない。
かと言って内容に全く無関係な題名かというとそうでもない。主人公が見つけたメモ書きをそのまま題名にしているんだけど、この言葉に関するエピソードは恐らく全く語られていない。もう一つのメモ書きである「冷蔵庫の水漏れを直して」のほうが直接に関係があるんだけどな。でもこれじゃ題名には向かない。自分が邦題考える担当だったとしても、「雨の日は…」にするだろう。
原題は「demolition」で「破壊」という意味らしい。これは内容そのものズバリ、ラストの不思議な爽快感にも繋がる真っ当な題名だ。

この作品は文学ですな。
それも村上春樹ですな。
自販機のクレーム係になぜかそれとは無関係の結婚生活の経緯を手紙で送り突つけるというのはモウ村上春樹的ですな。最初は狂言回し的な扱いでこの手紙を利用して、状況説明しているのかと思ったら、これが意外な方向に発展して行くんだからたまらない。
主人公のとる行動は自分には理解の範疇を超えているが、まあそんなことにもなるかも知れんとは思う。
妄想としてなのか現実としてなのか判らないシークエンスも多く完全には理解できないが、近年ハリウッド映画化しているフランス映画よりもフランス映画らしいアメリカ映画だ。終わり方は好感の持てる良い終わり方だった。
ハートの「クレイジー・オン・ユー」が割と重要な役目を担っているのがチト嬉しい。
»»鑑賞日»»2018/08/08

●原題:DEMOLITION
●制作年:2016
●上映時間:101min
●監督:ジャン=マルク・ヴァレ
●キャスト:ジェイク・ギレンホールナオミ・ワッツクリス・クーパー
●星の数:★★★☆


◉Heart/The Road Home

ハートと言えば、このアルバムが気に入っている。アコースティックバージョンってやつ、もしくはアンプラグドって言うんですかね。ド派手な演奏もいいけど、こちらもかなりいい。子供時代の写真をジャケットに使うのもうなずける今日この頃ですけどね。

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