続 荒野の用心棒
前半、棺桶を引きずっている男で通している間は、『おお!』って感じだったけど、
これも両方を引っ掛けるための罠なんだろう…と『本家「用心棒」ファン』なら考えるんだが、物語が進むにつれ、ホンマに金が欲しかったんかい!ってなってくる。
まあそんな欲深い男が主人公でも構わないんだが、前半のクールな男がなかなか良かったから、どんどん男を下げてしまっている感は否めない。
しかも底なし沼に落ちくれてしまうというのはヒーローにあるまじき失態なのではないか?
そして最後の工作がまた、見てくれが悪いったらありゃしない。『本家「用心棒」』は最高にカッチョよかったなあと改めて認識させてくれる一本でした。
「荒野の用心棒」がどういう内容だったかは憶えていないけれど、それとは全く関係なくこの題が付けられた云々と聞いているが、原題「DJANGO」が邦題「続・荒野の用心棒」となったのは、確かに「用心棒」にシチュエーションは似ている。「続・用心棒」だから「椿三十郎」に似ているのかとも思っていたがそうではなかった。
»»鑑賞日»»2010/10/19
ここで、マカロニウエスタンにおける邦題のややこしさについて整理しておこう。
クロサワの本家「用心棒」を無断でパクったことで有名な「荒野の用心棒」がマカロニウエスタンの名を世界に知らしめた傑作とされている。もちろん真の傑作は本家「用心棒」に決まっているのだが、その議論はここでは割愛しよう。
しかし「続 荒野の用心棒」はその続編でも何でもなく全く関係がない。監督も違うし主役も違う。ただプロットが本家「用心棒」に似ているというだけで、この邦題が付けられたそうな。ちなみに原題は「DJANGO」で、タランティーノがリスペクトしているのか自身の映画の題名にも流用しているので有名だ。
そして「荒野の用心棒」の続編とされているのが「夕陽のガンマン」であり、さらにその続編が「続 夕陽のガンマン」となっている。時間軸で言えば、3、1、2の順番になるそうだ。
それぞれの原題(英語)は
1 「荒野の用心棒」は「A Fistful of Dollars」
2 「夕陽のガンマン」は「For a Few Dollars More」
3 「続 夕陽のガンマン」が「The Good, the Bad and the Ugly」
となっている。
この三部作のうち2本に「Dollars」という文字が付いていることから「ドル箱三部作」と言われている。
もちろん主役はクリント・イーストウッド、音楽はエンニオ・モリコーネ、監督はセルジオ・レオーネである。映画の内容はともかくイーストウッドとモリコーネの魅力が炸裂しているのは間違いない。
●原題:DJANGO
●制作年:1966
●上映時間:92min
●監督:セルジオ・コルブッチ
●キャスト:フランコ・ネロ
●お薦め度:★★★