FASANDRÆBERNE

特捜部Q キジ殺し

苦虫を噛み潰したおじさんと、奇妙な微笑みのアラブ人とのバディもの第二弾。このコンビは相変わらずいい味出している。
キャストと世界観はいい。色調がダークで重厚なのもいい。

しかし今回は重箱の隅を突つきたくなってしまう。
ちっともスカッとしない。まぁそういうのを求める映画ではないんだろうけど。色調の通り重くて暗い映画だ。
どうも結末がアレではお手軽にまとめたな…と思わざるを得ない。
これでは頼み人が後先考えず自ら仕置にかけるだけの「必殺」を見ているようなものだ。
大した謎解き要素もなく、悪い奴はほぼ登場した時点で判っている。しかしそいつは金も地位も名誉もある奴だから難攻不落と言ってもよい存在な訳だ。となると、如何にその城を崩して行くかというのがキモになる展開を期待するのが人情だと思うんだが、左に非ず。

まずヒロインが妙に強いのが不自然だ。この設定の所為せいで急速にご都合主義化してしまう。
そして特捜部Qのバディが無鉄砲すぎる。令状もなしに勝手に家捜ししたものが証拠物件になるとは思えない。これはその後の無茶苦茶な展開ありきの設定としか判断できないんだよね。これじゃあちょっとデキのいい火曜サスペンス劇場やで!と言いたくなってしまう。
もしかすると本国(デンマーク)ではテレビ映画だったのかも知れない。

似た様な造りの作品に、オーストラリアの「不良探偵ジャック・アイリッシュ」シリーズがあるが、このままではあちらのほうに軍配を挙げることになる。

題名の「キジ殺し」は全く意味不明だ。このキジは桃太郎さんにでてくるあの雉子のことだよな?デンマーク語では何か別の意味があるんだろうか?
»»鑑賞日»»2019/02/22

原題の「FASANDRÆBERNE」をグーグル翻訳にかけると、「キジ・キラー」と訳される。
英語に訳すと「Pheasant Killers」と出る。
「Pheasant」はあの雉子である。
しかし、英語の「Pheasant」をデンマーク語に訳すと全く同じ「Pheasant」としか訳されない。
ということで「FASANDRÆBERNE」が一つの単語であることからも、何か別の意味があるような気がしてならない。

●原題:FASANDRÆBERNE
●制作年:2014
●上映時間:119min
●監督:ミケル・ノガール(ミケル・ノルガード)
●キャスト:ニコライ・リー・コス/ファレス・ファレス
●お薦め度:---


◉不良探偵ジャック・アイリッシュ

かなりすっ飛ばす展開で気を抜くと直ぐに置いてけぼりを喰う。しかしここに描かれる世界観がなぜかとても好きだ。
忌まわしい過去を持つ主人公には3つの顔があり、そのどれもが縦軸に関係がありそうでなさそうな描き方だ。でもそれがあるから物語に深みが与えられている。
日本では3作がDVD化されている。本国ではテレビ特番っぽい作品も存在しているようだ。

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