GLASS

ミスター・ガラス

さすがシャマラン、一筋縄では行かない作劇。

群れ・・ vs アンブレイカブル親父ということを期待しているのに、タイトルはなぜか「ミスター・ガラス」ということを納得できる終わり方である。
群れ・・ がああなるのは、まぁいいとして、アンブレイカブル親父がああなってしまうのは釈然としないのが大方の意見だろうが、そこをグッとこらえてああしてしまうのが凄いと思う。
それもこれも結局はタイトルロールの思い通りの結末を迎えることを強調するためだろう。アンブレイカブル親父がああならなかったとしても、ミスター・ガラスことイライジャの目論見は成功しているだろうが、「謎の勢力」への打撃感が弱まってしまう。
またこの「謎の勢力」の存在の表現の仕方がとてもイイ。此奴コイツらを出すことによって、よりイライジャの言わんとすることが明確になる。
そしてツイ何となく見ていた画面端にある「モニター画面ですよ」という印にも、ちゃんと意味があったことに気付かされる点もシャマランらしい。
アンブレイカブル」におけるラストシーンで、なぜわざと捕まるようなことをイライジャがしたかという答えが、これで少し解ったような気になれる。
とにかく例の「観ている間はすこぶる面白いが、観終わった瞬間に忘れてしまう」種類の映画でないことは確かだ。
ほぼ完全に内容を忘れてしまっていた「アンブレイカブル」を、本作鑑賞前に観直していたことの意義は非常に大きい。息子役の役者は同一人物が演じているっぽいのもちょっと嬉しい。イライジャの母親役が同一かどうかはチト判別できない。
»»鑑賞日»»2020/03/08

●原題:GLASS
●制作年:2018
●上映時間:129min
●監督:M・ナイト・シャマラン
●キャスト:ブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソンジェームズ・マカヴォイ/アニャ・テイラー=ジョイ
●お薦め度:★★★★