harmony

日本の至宝なかむらたかし監督作品だ。
そして驚愕のCGアニメ「鉄コン筋クリート」のマイケル・アリアスが共同監督を務めている。
動きや映像美は流石と唸る。
だが世界観がトンデモ設定すぎて、文字通り絵空事に思えてしまうのが最大のネックだ。
トンデモ設定も突き抜ければ、それもアリになるかもしれないが、ストーリー進行の根幹を成すのが、その設定を哲学的（？）に究明していくような具合なので、どうものめり込めない。ただただ画の美しさを鑑賞しているだけになってしまった。

ただの食事シーンに、セルアニメ時代ならクライマックスに使うような技術を惜しげも無く投入できるのも3DCGならではだな…とか思ってしまう。まあ結果的にはその食事シーンのあとには結構ショッキングなことが起こるんだけど、それでも贅沢な話やで。
日本の至宝と書いたけど「アキラ」も「ゴールドライタン」も実は未見なので、なかむらたかしのなかむらたかし度合いはよく知らないんだけど、マイケル・アリアスの「鉄コン筋クリート」とどうしても比較してしまう。
「鉄コン筋クリート」も正直言ってストーリーには全く共感できなかったが、動きや画の魅力が炸裂していたのは間違いない。それに比べて本作には3DCGでやりました的なお手軽感が漂い、パッションが感じられない。あの大傑作と比べるのもどうかと思うが、これだけの二大巨頭が監督してるのにと、ちょっと残念な結果となってしまった。これがそれほど名前の知られていない人が監督だったとしたら、感想も変わっているんだろうけど。
これは完全に好みの問題なんだけど、登場人物の名前がヒジョーに稀なネーミングで統一されているのも、どうもついて行けないのに一役買っている。
»»鑑賞日»»2019/04/07