ナイト&デイ
たしかに、抜群に面白かった。
テーマっちゅうかストーリーは、今ではもう使い古されたもんだと思うが、見せ方がうまいんだろうか。トム・クルーズ恐るべし。単なる変人ではなかったのだ。コラテラルとこれとでは、やっていることは割に近いモンがあるが、こうまで違う人格を演じることが出来るのだ。まあ、当たり前なんだろうけど。
ちゃんとオチまでつけてくれて言う事なし。満点のデキだあー。
»»鑑賞日»»2011/10/19
心の底から面白いと思える映画を最近観ていないと感じ、なぜか無性に観たくなった。二度目の鑑賞だ。「ダイハード」もそんな一本だが、クリスマスシーズンに5〜6年連続で観ると、さすがに飽きてきた。このままでは嫌いになってしまうかも知れんと、昨年末は一回休みを入れたんだが、記録を見てみると本作は、2011年の10月に初見しているから、約7年半ぶりに観たことになる。
さて改めて観ても、満点を差し上げたい出来だという気持ちは揺るぎない。なぜそんなに最高傑作なのかということを本稿では考え、「ナイト&デイ」礼賛をすることにする。
●トム・クルーズ演じるヒーローものは数あれど、本作の主人公ロイ・ミラーほどお茶目な奴はいない。
お茶目=最高傑作という方程式は成り立たないけれど、とにかく観ていて楽しい。超絶技巧のアクションを演じつつお茶目さも併せ持つシーンの連続で、全盛期のジャッキー・チェンかと思えるほどだ。
●キャメロン・ディアスもイイ!
この人はヘンテコな役もしっかりこなせる、単なるカワイコちゃん女優でないのは周知の事実だが、本作ではその魅力が爆発している。
前半は巻き込まれ型のヒロイン、後半は恋する名探偵、最後は勇敢なるお喋り戦士へと変貌を遂げるプロセスも楽しい。
●もちろんアクションシーンも超一流。
冒頭の飛行機内の攻防戦から既にして見せ場は最高潮(しかもキャメロン・ディアスがトイレに入っている間に完了している!)。そしてそんなのばっかりが、およそ8分おきくらいに発生するのだ。
●省略技法の多用
大きな移動が起きる時は薬物によって眠ってしまい、知らぬ間に目的地に到着しているという表現の多用で、一見手抜きのアンリアルな表現に思えるんだが、なぜか逆にリアルでロイ・ミラーの凄腕さを勝手に想像させられる。
●その他の脇役陣も粒ぞろい
味のあるポール・ダノは言わずもがな、CIAの上官である黒人女性も印象深い。ロイ・ミラーの父母に至ってはホンの数分しか出ないが、非常に物語の奥行きが膨らむ。
ガル・ガドットのプロフィールを観ていると本作が出ているのに、全く記憶に残っていなかったが、改めて観ると、オーストリアでの交渉相手の強烈な超絶美人ナオミを演じていた。今見ると出て来た瞬間にそれと判る美女っぷりだ。これで注目を浴びてワイルドスピードにヒットしたんだろうか?と思ったら、ワイルドスピードのほうが先だった。しかも似た様なタイトルの「デート&ナイト」にも出演しているではないか。
●そして何と言ってもエンディングがいい
散りばめられていた全ての伏線(と言うよりもネタと言ったほうが正しいか)を回収しつつ、ハッピーエンドに持って行く終り方は、やはり気持ちがいいのだ。
»»鑑賞日»»2019/02/15
●原題:KNIGHT AND DAY
●制作年:2010
●上映時間:110min
●監督:ジェームズ・マンゴールド
●キャスト:トム・クルーズ/キャメロン・ディアス/ポール・ダノ
●お薦め度:★★★★★