告白

告白

攻めている。
しっかし、よくこんな話を映画化するのにGOが出ましたな!ことあるごとにナントカハラスメントと命名するようなご時世に。イヤ、制作された2010年頃はそうでもなかったか。でもどっちにしても、教育委員会とかが茶々入れしなかったのが不思議なくらいに攻めている。

恐らく原作のポテンシャルが凄まじいんだろうなと想像がつく。
だが、いくら原作が良くても、その良さを発揮できずに不発に終ってしまう事のほうが多いなか、本作はその例に当てはまらない。

たしかこの監督はCM畑出身だったと思う。
日本人離れした映像感覚なんじゃないのかな。凄惨なシーンに妙に明るいポップな曲を流すというのが、最も判り易いテクニックなんじゃないのかな。なーんてね。そんなこと言ってる自分が古いだけなんだろうけど、少なくとも「昭和」な映像感覚ではないわな。

恐らく原作も登場人物の告白形式で構成されているんだろうと容易に想像できる。
その章立てに則って映画も素直に構成されているんじゃないのかな?と、読んでもないのに原作の偉大さを礼賛したくなってしまうのは監督に失礼かな?
「見てから読むか、読んでから見るか」という角川映画のキャッチコピーがあるが、本作に関しては「読まずに観た」なのでよかったのかもしれない。読んでたら結末を知ってるんだから面白さは半減しているだろう。もし原作のファンだったりしたら色々とイチャモンをつけたくなるだろう。
「京極堂」シリーズのファンなんだけど、「魍魎の匣」にはガッカリしましたぜ。自分の中で出来上がっていたキャラクターイメージとかけ離れていたキャスティングが大きな原因だったけど、あれは原作ファンでなくともイマイチな作品だったかもしれない。それに比べたら本作の完成度は無茶苦茶高いのだった。
»»鑑賞日»»2019/12/22

●原題:告白
●制作年:2010
●上映時間:106min
●監督:中島哲也
●キャスト:松たか子/岡田将生/木村佳乃
●お薦め度:★★★☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です