Largo Winch II



ラルゴ・ウィンチ 裏切りと陰謀

どうも前作とはパラレル・ワールドな世界な話になっている気がしたが、冷静にじっくり考えれば、そうとも言い切れない。
幼少期や少年期の過去ログを交えた構成になっている為ややこしいが、前作は実質的には、父親が死んでから跡目を継ぐまでの2週間程度の時間を描いていたに過ぎない。
今作は3年前のミャンマーと現在を描いているので、3年前のあの事件の後、さらに放浪の旅に出ており、前作のあの時点でブラジルにいても何ら不思議では無い。むしろあの所為せいで放浪癖が増幅したとも言えるか。
ということでパラレル説は却下だ。
さてそんな今作だが、かなりアクション性が増幅している。もう殆ど秘密エージェントかよと思うような活躍をしている。まあそうでなきゃ映画にならんのやけど。
でもそこが双刃の剣なところで、スケールがデカくなると嘘臭さも増してしまう。だからある意味「普通」の映画になってしまった。
そして黒幕の正体もある意味「大どんでん返し」なんだけど、これもモウお約束の領域な設定になっちゃってる。でもあれだけ緻密な黒幕をやっていたのに、最後の最後であの行動に出るのは、背に腹は代えられんとは言え、あまりに無謀としか思えない。自分の体力っちゅうもんを考えれんのかいっ!と言いたい。
でもその「背に腹」事情が自分にはさっぱり解らんかった。なぜあの人物が「唯一の無実を証明できる人物」たりえるのか?お話パターン的にそうなる配役であるのが適役なところまで「普通」なんだけど、その理論が解らない。パターンに当てはめているとしか思えない。
そしてまた今作も株式売買の理論がストーリーの重要なスパイスとなっているんだけど、やっぱり解らないので、そこんところのスリルを味わえないというジレンマに陥ってしまうのも残念なところだ。
»»鑑賞日»»2020/02/01

うんちく2

原作はフランス製だと思い込んでいたら、ベルギー製だという情報もあった。だからフランスとベルギーの合作なのね。すんまへん。今作に関してはドイツも参戦していた。そのお陰かどうか判らないが、いちおう劇場公開されたらしい。

●原題:Largo Winch II
●制作年:2011
●上映時間:119min
●監督:ジェローム・サル
●キャスト:トメル・シスレーシャロン・ストーン
●お薦め度:☆☆☆