LIVE AND LET DIE

007 死ぬのは奴らだ

これはもうコメディ映画の部類に入れてもいいんじゃないのか?と思う出来映えである。
製作が1973年頃ということで、45年も前の映画なんだからしょうがないとは思うが、大マジメにアクション映画大作として作っていたんだろうか?と首を傾げざるを得ない。

初めてロジャー・ムーア版をキチンと観た。
ボンドと言えばこの人と言う人も多いロジャー・ムーアだが、自分的には一番しっくりこないなあと思っていて、ついつい後回しになっていたのだ。
いちおう初めて拝見となるんだから、ナンバリング通りに観ることにしたが、どうも事前の印象は変わらないようだ。
これを観ると、昨日観た「リビング・デイライツ」がちゃんとしたスパイアクション映画に感じられる。
ストーリー的には一体何のために活動しているのか良く判らない…という時点で、単にこんな図が欲しいなあという目的のために後付けでストーリーをこじつけました感が漂ってくる。創作にはそういった面も多々あるとは思うが、どうも本作は頂けない。
その分アクションがド迫力というのならまだしもなんだが、目玉と言えるのは、モーターボートで水上陸上をぶっ飛ばすだけのシークエンスだから、これまた45年後の目で観ると、逆にショボさが目立ってしまう。
しかもこのアイデアは前作である「ダイアモンドは永遠に」で使ったアイデアではないのか???と思い、調べてみると、違った。
正しくは五代目の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のアバンタイトルで使われていたということが判明した。
ということは「ワールド・イズ・…」よりも四半世紀以上も昔のことなんだから、公開当時としては、それなりに目玉のアクションと言ってもいいものかもしれないということを訂正してお詫びする。

では当時の世相としてブードゥー教やタロット占いが流行っていたということだろうか。時代の先端を切り開く007シリーズとしては、そうせざるを得ないのは理解するけれど、それを全面にフィーチャーしているので、余計にB級感が色濃くなっているのはお愛嬌というものだろうか。特にラストショットのアレは頂けないのではないだろうか。

お約束の新兵器が腕時計1個というのはどうにもショボい気がするが、案外活躍していた。と言うのは褒め過ぎかな?あんなに強力な磁力だと、自分のベルトなんかが先に引っ付いちゃって、使いモンにならんのとちゃいますか?一番の活躍がノコギリにもなるという未説明の機能だったというのはチトご都合主義かもしれん。
»»鑑賞日»»2019/01/04

ボンドガールの役名は字幕では憶えられないような名前だったけど、エンドロールを見ていると「ソリテア」という名前のように見えたという豆知識を付け加えておく。
エンドロールが気持ちいいほど短くて新鮮だった。

●原題:LIVE AND LET DIE
●制作年:1973
●上映時間:121min
●監督:ガイ・ハミルトン
●キャスト:ロジャー・ムーア/ヤフェット・コットー/ジェーン・シーモア
●お薦め度:---


◉Best of Bond: James Bond

映画の古臭さに比べて、主題歌は色褪せない。
天下のポール・マッカートニーが起用された今作だが、我がシステムを持ってしても、DVDで視聴する分にはいささか古臭い感が漂ってしまった。
比べてCDで聴くと、最新作と言われても不思議ではないクオリティで楽しめる。
勿論、全曲キャッチーな曲ばかりで、かなりの頻度で聴いてしまう。このCDを聴いているから映画も観たくなったと言っても過言ではない。

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