LO CHIMAVANO JEEG ROBOT

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ

「マジカルガール」に続く日本のアニメをネタに使った映画の第二弾。
「マジカルガール」は観客が予想するであろう展開を見事に裏切るミスリード作戦に拍手を贈ったが、今作は正攻法で王道な展開と言える。

なんでイタリア映画で鋼鉄ジーグなんや?とキャッチーな題名に惹かれて借りてしまった。借りて正解だった。
鋼鉄ジーグと呼んでいるのは実はたった1人で、皆はスーパークリミナルと呼んでいるが、主人公としてはそう呼ばれたいと思うようになる過程を描く映画ですな。
スーパーパワーは実質的にはジーグというよりもミスターインクレディブル寄りだが、「皆はこう呼んだ、ミスターインクレディブル」という題名はディズニーが絶対許さないだろうことは想像に難くない。

この映画のいい所は、スーパーパワーを手に入れた主人公が最初にしたのがATM強盗だという所だ。そのあとは現金輸送車強盗だし、身内に降り掛かる火の粉をふり払う以外は正義のセの字もない。
しかし根っからの悪人でもないので、ひょんなことから人助けをしてしまうシーンは素直にグッとくる。もちろんイタリア人だから女の子の気を惹くのにもパワーは使っている。このシーンはほのぼのとしてとてもヨロシイ。

空を飛ぶ訳でもなくビームを放射するでもなく、ましてや合体もしない、単に怪力と強靭な肉体というだけの能力に特化したCGだか特撮だかの抑え方が、とても功を奏していると推察する。
»»鑑賞日»»2018/10/29

●原題:LO CHIMAVANO JEEG ROBOT
●制作年:2015
●上映時間:119min
●監督: ガブリエーレ・マイネッティ
●キャスト:クラウディオ・サンタマリア/ルカ・マリネッティ
●星の数:★★★★


こちらはスペイン映画。フィーチャーされているのは「魔法少女ユキコ」という、恐らく架空のアニメ。エンドロールには、由紀さおりとのコラボで有名なピンクマルティーニの「黒蜥蜴の唄」が流れる。これがアキ・カウリスマキだったら、美輪明宏歌唱の原曲を流しているだろうことは想像に難くない。

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