鉄道員

鉄道員ぽっぽや

故志村けん唯一の映画出演作だと最近話題になっていたので、珍しく時流に乗ってみた。
主人公の乙松は、いわゆる「健さん」のイメージを前提に書かれたようなキャラすぎて、申し訳ないが直視できない気分に陥ってしまった。名作の誉れ高い本作に対して甚だ不謹慎だとは思うが、そこまで愚直なのはギャグか?とさえ思ってしまう。
それに対して「広末涼子」である。
この人の作品は「鍵泥棒のメソッド」しか観た事はなかったんだけど、いやぁイイですね。「鍵泥棒〜」では広末のファンになるかも…とチラと思ったことに加えて、作品自体も非常にヨカッたので、いつまでも心に残る作品だということを一言付け加えておきたい。
ファンになるかもと思いつつも、爾来1本も観てなかったのではあるけれど、本作には出演しているということは何となく知っていた。だが、登場するのは物語も終盤になってからだ。「満を持しての登場」とまでは思っていなかったが、現れた瞬間、うわ!出た!と思ってしまった。それくらいインパクトがあった。
当時はまだまだ「単なるアイドル」と言ってもいいくらいの立ち位置だったんだろうと考えるけれど、この人が出た瞬間に作品がパッと締まった気がした。それまでの地味〜な色調の画面から急に赤を大きくフィーチャーした出で立ちでの登場や、その役所やくどころの意味も大きく影響しているんだとは思うが、「単なるアイドル」にあの表情はできないっしょ!?と思うっス。いやあエエもん観させてもらいました。

気になった点をチラホラ。
出てくる食いモンがちっとも旨そうに見えないのがとても気になった。撮影の大変さは理解するけど、ぜんざいも鍋も湯気がたってないので、不味そうにしか見えませんぜ。映像がクリアでないのか、自分の目が悪いからなのか、高校生の雪子が作ってくれる鍋に至っては火がついていないように見えたんだが?
乙松が全てを理解する「和尚さんからの電話」の内容がとても気になる。
»»鑑賞日»»2020/05/21

原作者が「健さん」をイメージして創作した可能性が高い気がするが、本作が原因で所謂ひとつの「健さん」イメージが出来上がったということはないよな?
wikipediaを読むと

例によってwikipedia情報によると、あくまでも板東英二本人による情報だが、板東英二が本当は乙松を演じることになっていたそうだ。だから原作が健さんをイメージして書かれたということはなさそうだ。
和尚さんからの電話は「娘も孫も帰ってきていない」という内容だそうだ。まぁそらそうやわな。

●原題:鉄道員ぽっぽや
●制作年:1999
●上映時間:112min
●監督:降旗康男
●キャスト:高倉健/大竹しのぶ/小林稔侍/広末涼子
●お薦め度:☆☆☆


◉鍵泥棒のメソッド

堺雅人、香川照之の「半沢直樹」コンビに加え、広末涼子の三人が主演している2012年作品。
監督は内田けんじ。
日本映画、侮り難しを実感する。姉の胸キュンエピソードが重要な鍵。
おすすめ度は★★★★★を捧げたい。