SPARTACUS

スパルタカス

知らずに観たらキューブリック作品とは思えないだろう。
キューブリックもこんなマトモ(?)な作品を撮っていたんだと意外に思う。
3時間超の歴史大作で、ちょっと欠伸を噛みしめながらの鑑賞となったが、これが歴史上の史実なのか、それともフィクションなのかは判らない。もし史実扱いだったとしても2000年から昔の話なので、大いにフィクションは混じっているだろう。

1960年の作品ということで、CGなどは無く、莫大な人数のモブシーンは圧倒的な迫力が伝わってくる。ということは矢張り大金が投入されている超大作ということだろう。そんな作品を任されるキューブリックはまだ若僧ながら一目も二目も置かれている器だったということだろう。
人海戦術のモブシーンには迫力があるが、近くで見る戦闘シーンにはどうも迫力は感じられない。まあ時代が時代だから、そこを突っつくのは酷というものだろう。まあそんなこんなで、一瞬睡魔に襲われかけたが、ラストシーンあたりでグッと引き込まれた。
この作品のいいところは、その結末の裏切り方だと思う。まさかああなってしまう展開に拍手を贈りたい。
»»鑑賞日»»2019/01/06

追加情報。
キューブリックは別の監督の代役として起用された。
作品の実権は主演のカーク・ダグラスが握っており、前監督はカーク・ダグラスと衝突して降板したらしい。まだまだ若僧のキューブリックだから、自分の言いなりになるだろうという狙いもあったとかなかったとか。
しかし若過ぎると渋るユニバーサル側の意見を押さえ込んだのも、カーク・ダグラスだそうな。
キューブリックは雇われ監督に徹した結果の作品であり、生涯に渡り自分の作品とは認めなかったそうな。イヤイヤながらでもこんな大作を物するんだから、やっぱり凄いやねキューブリックさん。

CGはないと思われていたが、軍隊のモブシーンは合成で倍増させている箇所もあるという情報もある。まあ厳密な意味でのCGではないけどね。

いちおうこのお話は2行程度ではあるが歴史の教科書にも記載されている史実だそうだ。
ここで書くのもどうかと思うが、紀元前のことなのに、アチャラでは言葉や文字がちゃんとあったんだ!?と素直に驚いてしまう。同じ時代の日本では、意思の疎通もままならない状態だったのではないか??と、漠然と思っている自分がここに居る訳です。

●原題:SPARTACUS
●制作年:1960
●上映時間:197min
●監督:スタンリー・キューブリック
●キャスト:カーク・ダグラス/ローレンス・オリビエ/ジーン・シモンズ/チャールズ・ロートン
●お薦め度:★★★☆


◉狩人の夜

スパルタカスでの太っちょの政敵を演じたチャールズ・ロートンが唯一監督したフィルム・ノワールの傑作だそうだ。観てないので何とも言えんが、面白そうだ。

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