偶然の旅行者
タイトルから想像していた内容とは大きく異なる作品だった。
この題名は旅行ガイドブックの執筆を生業としている主人公が書いている本のタイトルであった。とは言っても洞察力に優れた読者諸兄にとっては、このタイトルと作品内容は深くリンクしていることを看破できるのだろうけど、自分には関連性を想像することはできなかった。
そうだったとしても、主人公の書いた作品名をそのまま映画のタイトルにするのもアリだと思う。
とまあ題名論議はこのくらいにして、本作はなかなか良かった。
タイトルからはミステリー系だと想像していたんだが、実際はまあ言えば恋愛モノだった。しかし単なる惚れた腫れたのラブロマンスではなく、なかなかに複雑な人間関係を描いている。イヤ、人間関係が複雑ではなく人間性が複雑と言うべきかもしれない。
この題名は旅行ガイドブックの執筆を生業としている主人公が書いている本のタイトルであった。とは言っても洞察力に優れた読者諸兄にとっては、このタイトルと作品内容は深くリンクしていることを看破できるのだろうけど、自分には関連性を想像することはできなかった。
そうだったとしても、主人公の書いた作品名をそのまま映画のタイトルにするのもアリだと思う。
とまあ題名論議はこのくらいにして、本作はなかなか良かった。
タイトルからはミステリー系だと想像していたんだが、実際はまあ言えば恋愛モノだった。しかし単なる惚れた腫れたのラブロマンスではなく、なかなかに複雑な人間関係を描いている。イヤ、人間関係が複雑ではなく人間性が複雑と言うべきかもしれない。
幼い息子を亡くしてしまった夫婦がそのことで亀裂が入り、ついに別居へと舵をきってしまう。夫には寝耳に水だったが、妻のたっての希望で彼女は独りアパート暮らしを始める。
夫には愛犬1匹が残されるが、出張の多いモノ書き稼業ゆえペットホテルを利用せねばならない。そこで出会う犬の訓練士ミュリエル。この女性がチト風変わりだがキュートでチャーミングにしてバツイチ子持ち。自然な流れで彼女と
夫婦に重くのしかかる息子の死。夫は表面的には淡々としているが、実は深く苦しんでいる。それを克服するのに一役買うミュリエル母子。と書くと非常に重たい映画かと感じるかもしれないが、ところどころ挟まれる旅行シークエンスや、主人公の兄妹の奇人変人っぷりなど、ユーモアもふんだんに織り交ぜた描写で、決して暗くない、不思議な明るさに包まれた作品になっている。
»»鑑賞日»»2019/08/08
●原題:THE ACCIDENTAL TOURIST
●制作年:1989
●上映時間:121min
●監督:ローレンス・カスダン
●キャスト:ウィリアム・ハート/ジーナ・デイヴィス/キャスリーン・ターナー
●お薦め度:★★★