THE NAMESAKE

その名にちなんで

アメリカで暮すベンガル人一家の大河ドラマ。
根底には息子の名前である「ゴーゴリ」にまつわるエピソードが流れている。
母親役の女優さんが類稀なる美人。ティーンからアラフィフまで演じている。
父親役の人は「めぐり逢わせのお弁当」の主役おじさんの人ではなかろうか。こちらも20台から50台くらいまで演じている。
ゴーゴリは「スラムドッグ$ミリオネア」の主役少年の人な気がする。

なんでこんなジジむさい人にこんな美人が…と思ったが、一貫して同じ役者が演じるシステムのためだと気がついた。脳内で変換して鑑賞する必要があるが、中年になってからは非常にしっくりくる。そして恐らく本国では名高い俳優さんなんだろうなと思わせる、味のあるシブい演技を見せてくれる。

話の内容としては、ゴーゴリ命名の源となった列車事故以外は特にドラマチックな展開はなく、どこの家にもある話の連続だが、各エピソードが恐ろしく短い。
ほんの数カットで1年や5年も時間軸が進む場合もあるスッ飛ばし加減が気持ちいい。
終わり方も特にオチらしいオチもなく、なんとなく終わって行くが、なぜか全体的にしみじみとさせられる映画だった。なぜだろう。
»»鑑賞日»»2018/12/09

父親役のイルファーン・カーンは推察通り「めぐり逢わせのお弁当」のおじさんだった。他にも「スラムドッグ$ミリオネア」「ライフ・オブ・パイ」などなど、インド在住にも関わらずアメリカ映画にも多数出演している国際的な俳優だった。
「ライフ・オブ・パイ」の成人後の主人公もこの人だったのか。てっきりあれはマーク・ラファロだとばっかり思っていた。

母親役を演じているのはタッブーという女優さんで、アマゾンではタブーと表記されている。それはちょっとあんまりな名前じゃないのか?と思っていたら、wikipediaではタッブーと表記されている。本名からくる愛称から名付けたそうだ。
インド映画の主演女優は恐ろしく美人が多いのに、なぜか日本で公開される映画に立て続けに出演するということが滅多に無い。その一本限りなことが多い。しかしこのタッブーさんは「ライフ・オブ・パイ」でも母親役で出演していたことが判った。奇しくも(ということもないが)、本作の夫婦コンビで共演していたことになる。画面上では同時に映ることはなかったが。
さて、この父親母親を演じたお二人の年齢差はたったの3歳だということが判った。父親役がちょっと老け気味かつ母親役が異常に若く見えるというコンビだったという訳か。

一応主役のゴーゴリはカル・ペンという人だったので、「スラムドッグ$ミリオネア」の主役青年ではなかった。この人はデーブ・パテールという人だった。

●原題:THE NAMESAKE
●制作年:2006
●上映時間:123min
●監督:ミーラ・ナーイル
●キャスト:タッブー/カル・ペン/イルファーン・カーン/ジャシンダ・バレット/ズレイカ・ロビンソン
●お薦め度:★★★


◉めぐり逢わせのお弁当

こちらはちゃんとインドが舞台の正真正銘のインド映画。
歌も踊りもない、かなり文芸が薫る秀作。
イルファーン・カーンがここでもシブいオヤジを演じている。

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