The Searchers

捜索者

実に素晴らしいオープニングシークエンス。
この、屋内のドアから広がる荒野をバックに女性が外に出る構図は、とても大昔の映像とは思えない異常なほどの臨場感があり奥行きがある。そして、家族が懐かしい人を出迎える様子が沁みじみと切り取られている。もうこの一連の流れを観るだけで鳥肌がたってしまった。
話は西部劇ということで、例によって「悪い」インデアンとの戦いになる訳だけど、攫われた姪を救い出すまでの約10年を描いているのが、いわゆる「西部劇」とは一線を画しているのではないかと思う。
残虐なシーンもすんでの所で外すという例のテクニックも多用されており、女性にも安心して観て頂ける作品となっております。
そしてオープニングに呼応した形で締めくくられるエンディングもお見事。
»»鑑賞日»»2020/11/12

wikipediaを読むと

公開時は失敗作と評されたそうな。
でも後年、評価は覆り、世紀の傑作と呼ばれるようになった。
エンディングシークエンスも、映画史上最高のラストシーンの1つとして有名だそうな。さもありなん。
「タクシードライバー」や「地獄の黙示録」は本作からインスパイアー及びオマージュされているらしい。
スピルバーグの原点に立ち返る作品として「七人の侍」などと共に本作を挙げているそうだ。

販売されているDVDには通常版(無印)とワイド版がある

ワイド版がワイドなのは判るが、無印のほうはどういう形態なのかがハッキリしない。
値段が倍以上違うが、まさか3:4にレターボックス形式で収録されてるんとちゃうやろな?
レンタルで観たのはフツーに16:9で収録されてたけど、それがワイド版と銘打っていたかどうかはチェックしていなかった。

●原題:The Searchers
●制作年:1956
●上映時間:119min
●監督:ジョン・フォード
●キャスト:ジョン・ウェイン/ジェフリー・ハンター/ヴェラ・マイルズ/ナタリー・ウッド
●お薦め度:★★★★★