ヨーロッパほぼ一周食い心棒の旅#30 クレタ島イラクリオ

うまか不思議ギリシャ篇ロゴ

ギリシャ第20日目 6月8日

バスは行く行く文無しをのせて

クレタ島・イラクリオ

けっこうタラタラと用意をしてホテルを後に、POSTへ向かった。の小荷物に掛けるロープかテープはありますか?と訊くと、いちおうあちこち探してくれたが結局ないそうなので、外に出てスーパーを探すが、こないだは近所にあると思っていたのに見当たらない。しょうがないので小荷物はイラクリオで出すことにして、ハガキと封筒だけ出すことにした。特製フートーを見せて、イズディスオッケー?と訊くとダーコと言って受け取ってくれた。
朝市の横を通り、公園の中を抜け、ギラギラ暑い道を通ってバスステイションに辿り着いたら汗だくだった。「イラークリオ、ツー」と言って2500Δr払おうとしたら、がサイフが無いと言い出した。内心またかよと思いつつ表情には出さず「えー、もいっぺん探してみーよ」などと言ってるうちに発車のクラクションが鳴り響いた。やっぱり無いと言うので「ネクストタイム、チェンジチェンジ」と言って、10:00を10:45に訂正してもらった。あーあである。
同じ道を辿ってPOSTに引っ返したけど見当たらない。切手を買ったおばさんに訊いてみたら、いちおうあちこち探し聞き回ってくれた。やんぬるかな、当然のことながらありません。さいごの望みの綱、全く同じ道を下ばっかりをキョロキョロしながら歩いたけれど、やはりない。まーしょーがないよと肩をたたいた。

こちらが文無しなのを知ってか知らずか隣のカナダの兄ちゃんは実によくしゃべる。うしろのオーストラリアのねえちゃん二人組にマシンガントーク炸裂だ。しかし外国の若者ども(年寄りもだが)は、あんなに薄着で財布とか貴重品の扱いはどうしているのだろう。まー同じような顔をしているから、そのほうが旅行者旅行者していなくて、狙われ難いのかもしれないけれど。
このカナダの兄ちゃんはイラクリオに行くのにハニヤ往きの切符で乗り、平気の平左を決め込んでいる。車掌さんに「フェア ドゥユー ゴー? ディス チケット イズ ハニヤ!」と言われても、何喰わぬ顔でマシンガントークを続けている。あのくらいにならんといかんのやな…と勉強させてもらった。財布の一つや二つ無くしたからとてなんぼのもんじゃい!と。そんなこんなで1時間半、けっこうなケーコクビを眺めつつイラクリオに着いたとさ。
とりあえずユースホステルのある近所にバスが着いたらしいので、ユースに行ってみることにした。しかしどうも地図と全然違うような気配なので、キオスクのおっちゃんに訊いてみたら、ユースホステルというもの自体が通じないのか判らないのか、さっぱり要領を得ない。礼を言ってとりあえずにぎやかな方面に向かうことにした。
どうやら着いたバスステイションが「地球の歩き方」の情報とは違う別口の停車場らしいと気がついた。こうなればに行くしかない。とは勿論インフォメーションのことだ。幸いは近所で見つかった(バスターミナルなんだから当たり前か)。地図をもらい、アメリカンエキスプレスの場所と、今いる場所を教えてもらった。
ユースはもう遠くてしんどいので、困った時の地球の歩き方に載っている、近所にあると思われるペンションに行くことにした。絶対この建物に違いないと思うのであるが看板もヘッタクレも出ていない。向いのレンタカー屋の親父に訊いてみた。ギリシャの町にあるのはレンタカー(もしくはレンタバイク)屋、タベルナ、カフェ、ギロス屋、トラベルビューロー、エクスチェンジ、1時間写真屋、キオスクのどれかしかない(そんだけあったら十分やろ)。そんなことはどうでもよくて、親父の言うことにゃ「ペンシオーン、クローズ、クローズ」だそうなので、もう一軒のほうに行ってみることにした。
その「ホテルクレタ」はそこにあるにはあったけれど、よく見てみると、隣のガレージにインフォメーションがあるのでそちらに行ってくだされと手書きの看板が掛かっている。しかしガレージはガレージなのでどこがインフォメーションなのか判らない。その辺にいる兄ちゃんに訊いてみたら、窓の向こうにいるねーちゃんにバトンタッチされ、何も言わないのにねえちゃんは電話をかけだした。いきなり「ディス イズ ボス」と言いつつ受話器を渡された。しどろもどろに話してみると、マイサンが2分後にガーデンの入口に行くので待っとっておくれやっしゃ、わし今、シャワー浴びとるよってに。ということらしい。
再び「ガーデン」とやらの入口に突っ立っていると、向いのおばあちゃんが目覚まし時計持参でやってきて、5時まで開かないよと、三回も行ったり来たり言いに来てくれた。うーん、我々の英語力は2人で3分の1だから、1人だと6分の1であるからして、2ミニッツは2アワーのことだったのだろうかと不安がよぎった。このままずっと立ち尽くして、そして僕は途方に暮れるなのだろうかと思っているところにマイサンが来てくれた。
ガーデンのドアの向こうに手を突っ込んでドアを開け、テーブルとイスを引っ張ってきて、ここに座って待っといておくれやすと言って、そそくさと出て行った。

Δr
ドラクマ
ユーロになる前のギリシャの通貨
そう、今はまだユーロの一員になる前なのです

もちろんよ
どこが勿論よや!水道水だった

アイウオントギブミー
なんちゅう英語や!
でも通じるみたいだ

とりあえず日陰やし涼しいわいなと、湯になってしまった液体をぐびぐびやっていると、メガネをかけたマイドーターがやって来た。
「ハァ〜ロォ〜、日本のどこに住んでるのぉ?」
「神戸の近く」
「コーベ???」
としかめっ面されたので「大阪の近く」と言い直すと
「オー、オーサカ!友達住んでるよ!」とゴキゲンになり中に入れてくれた。
まあまあの部屋だけど、朝食付きで約1万Δr。まーよいでしょうと3日間の契約を結んだ。
「冷たい水のボトル欲しい?」と訊いてくれるが『どうせ水道水ちゃうかぁ〜?』と疑り「ミネラルウォーター?ナチュラルウォーター?」と言ってみたら「もちろんよ」だそうなので「アイ ウオント ギブミー」と答え有り難く頂戴した。
「エファリストー」と言うと喜んでいる。このマイドーターは日本語基本5単語を知っているわよと自慢していたので、こちらもギリシャ語基本3単語ぐらいは知っとるわいと言ってみたのだ。
おいしいタベルナを教えてくれるというので手取り足取りご教授頂き、さてアメリカンエキスプレスである。約20日間を700ドルで賄ったので、およそ1日あたり3000円で過ごしている訳だ。なかなかよい調子であるが、懐にはもう1000Δrしかない。これでは手許不如意テモトフニョイである。
「8月25日通り」という道を目指して歩き出す。おっ、ありましたありました、スブラキ屋。ぎょーさん行列作っとる。こりゃぁ、いっちょうハラごしらえせなイカンと入店した。今迄にない初めて見るタイプ。ちょっと大きめのバンズパンを半分にして中をくり抜き、何かをそのフチに塗ってカリカリに焼いた中に、お決まりのギロス、ポテト、玉ネギ、ザジキ、トマトを詰め込んでいる。前の人の払っているお金から計算すると1ヶ350Δrなのでそれを2ヶ買ってもどこかでツボルグソーダも買える!と踏んで2ヶ求める。と、1100Δrと言われてしまった。「えーーーーーっ」と言ったら、別の人のコーラ2本も計算されていたので、やはり700Δrだった。しかしお釣は250Δrである。またまた「えーーーーーっ」とやると、50を100と換えてくれた。ホッ。
ちょっと離れた場所でパクついていると、あまりにもうまそうに喰ってたからか、子供連れのおじさんに、それどこで買ったん?と訊かれてしまい、えーっと、そっちの方まっすぐアバウト20mのところと言ったら、喜んでその方面へ向かった。通じるもんやな。あとでその前を通ると同じような店が3・4軒並んでいた。こりゃ判らんかったやろなー。

スブラキ
ギリシャのソウルフードとも言うべきファストフード。
アテネのコスタスという店で初めて出会った。各地で食べ比べているが、あれ以上の味に未だ出会っていない。

ツボルグソーダ
ギリシャでポピュラーな炭酸水。
たいていどこでも売っている。たぶんデンマークの製品で本当はツボーと読むということは後に判る。

さて、今度こそアメリカンエキスプレスである。で訊いた、アテネのアメリカンエキスプレス事務所でもらっておいた住所に行くと、ありましたありました、我等がアメリカンエキスプレストラベルビューロー。おっさんに言うと
「OK。いくらチェンジしたいんだね」
と定石通りの答えが帰ってくる。
500と700じゃよとトラベラーズチェックを見せたら
「ありゃりゃー、ここはコミッションがいるよ。コミッションの要らない店を知りたいかね」
と親切なお言葉。もちろん「知りたい!知りたい!」と返事したのは言うまでもないが、店によって手数料が要ったり要らなかったりと不可解なシステムじゃわい。
またもや手取り足取りご教授頂き、そちらに急行してみると、そこはバイクをいっぱい並べていたレンタバイク屋の傍だった。さっき通った時はバイクの品定めに夢中になり、このデカ看板には気がつかなかったわいと言いつつ、ノーコミッションで両替に成功した。めでたしめでたし。
両替が出来たら気持ちが大きくなり、ピスタチオアイスとレモンアイスを買ってしまった。これはさっきギロスパンを喰った広場にある店だけど、これがなかなかのもので、クリーム自体はまあ普通だけど、なぜかコーンが熱々のカリカリなのであった。こんなアイスには初めて出会ったのであった。
なんじゃかんじゃ済ませてホテルに帰り着くとマイドーターが鎮座していたので、レーゾーコに水いれといてもよしか?と訊くと、OK、OK、ノープレブレムよ!とのことなので、早速冷やさしてもらった。シャワーを浴びるとさっぱりすっきりビオレUであった。もシャワーすると元気を取り戻したのか、さっそくサイフを作り出している。
マイドーターおすすめのレストランイオニアに行こうかいと下に降りると、オヤッサン(=ボス)がロビーでテレビを見ていた。こちらに出て来て、握手をしてくれた。今からイオニアに行きますると言うと、そーかなそーかなと名刺を渡してくれた。
いざ行ってみると、どこが「レストラン」なんや?と思ってしまうような店構えであったので安心した。すぐに「ホテルクレタの人?」と気づかれてしまい、中に連れて行かれた。連絡済みだったってことか?と言うより、オヤッサンの経営ということか?
現物を丁寧に説明されてから外の特別席に案内された。注文を取りに来てくれたけど、イマイチ判らんので再び陳列ケースまで戻り、スタッフドトマト、ポテトのオリーブ油炒め、グリークサラダ、ハイネケンに決まった。ポテトがかなり旨い。値段を見てびっくり、300Δrである。げッ、ハイネケンよりも安い。さいごにスイカとウゾまで、ボスのおごりですと出してくれた。

ホテルクレタの間取り
かなり天井が高いのが特長。

ホテルクレタ間取り

帰りにキオスクで水1.5ℓを買ったら120Δrだった。結構キオスクはマジメな値段設定のよーである。フェリー乗り場の前のキオスクはもっと安かった。ツボルグソーダが船着場で130Δr、マチナカでは150Δr。


◉TUBORG CLUB SODA

日本のアマゾンでは売っていないみたいだ。
かろうじて緑色ラベルのツボルグビールがジャケットになっているMP3音源がヒットするのみで、アマゾンジャパン内ではツボルグ社の飲料自体も扱っていない模様だ。
ためしに本国に一番近いドイツのアマゾンを見てみると、ビールはヒットするが、やはり赤いラベルのソーダは全く無い。
伝家の宝刀グーグル先生で「TUBORG CLUB SODA」と打ち込んでみると、さすがに一発で、あの赤いラベルの炭酸水がヒットした。
クリックしてみると、そこにはギリシャ文字が。ギリシャの「やまや」みたいな店だ。やっぱりギリシャでしか売ってないのか。もしかしてデンマークのツボルグと何の関係もなかったりして…とも思うが、ロゴや王冠のマークもビールと同じだから、その線はないだろう。
左の写真は、そのギリシャのやまや的な店のHPの画像にリンクしている。ちなみに日本ではツボルグと表記するが、デンマークでの発音はツボーに近いということらしい。今はカールスバーグの子会社になっているそうだ。

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