う ま か 不 思 議 ハ ワ イ イ ─ ワ イ キ キ 篇 (下) その4

 目の前に停まったのは予想通り黒塗り胴長のいかつい車だった。
 内装はと云えば、見かけ倒しな安物のプラスチックを連想させる造りだった。
 運転手さんはベトナムかタイあたりの風情を漂わせているアジア系のちんまいおじさんだった。サングラスも着用していた。
 なんぞ気の利いた会話をできるでもなく、妙に落ち着かない四半刻を過ごして空港に到着した。35ドルに添えてちゃんとチップも手渡した。タンキュウと言っておじさんはブロローと去った。

 日本に着くと、季節は蒸し暑い梅雨に突入していた。
 ハワイの空気がなつかしくなった。





       
──────別冊うまか不思議・ハワイイ篇(了)

(c)2001-2004 HaoHao

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