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 ホテルの朝飯を食う。うーん、期待はずれ。何がウイズ・ブレクファストじゃ。コーヒーはぬるくて出がらし的。オレンジジュースは水まし風。バターとチーズとジャムは可も無く不可も無し。ま、こんなもんなんじゃろ。

 アメリカンエキスプレスに行く。かなりの長蛇の列。ノーコミッションだから、みんな考える事は同じなのか?それともやっぱり旅と云えばアメックスと相場は決まっているのか?とにかくアメリカンエキスプレスの信頼は絶大なように感じられた。窓口に並んだ人はみんな流暢な英語でペラペラのペラリーンコと喋っているように聞こえる。いよいよ最前列に来た。
 「あそこの右端の窓は空いているのに、あなたはなぜ進まないのか?あなたは何を待っているのであるか?」
 すぐ後ろのおばさんにそのような意味のことを英語で言われた。『そんなもん知るかい。さっきから誰もあそこには行っとらんのじゃい』と言いたかったが、今回は教養が出てきてくれなかったので、大人しく首をかしげるのみだった。US500$が113,820ΔPX.にもなった。

クルーリー売りの
親父さんとそれを
買うお客さんたち

ここのニイちゃんはホンマ遊んでますリゾートしてます!って感じに日焼けしまくっていた。

 いつもの教会横のベンチに向かう途中、例によって客引きの兄ちゃんがあらわれたかと思うと「サヨナラ」と言って近づいて来る。
 「はいはい、さよなら」と言いつつ離れようとすると、兄ちゃんはテルミはんの靴を踏んでしまった。すると今度は「コレハコレハ」と言って追いかけてくる。わっはっは。

 日本の人が営んでいるというツーリストビューローに向かう。
 ガチャ(ドアを開ける音)
 「ポロス島に行く船の予約をしたいんですけど・・・」
 「行くだけですか?」
 「はあ(・・・他に何するんや?)」
 「行くだけなら、ヘタに予約するより直接桟橋に行った方がいいですよ」
 「ああ、そうなんですか」
 バタン(ドアを閉める音)
 ちゃんちゃん。

ΨΨΨ

コカコーラひとつ
何を隠そう、私は酒がほとんど飲めないのだった。

 ミッコネンのスブラキ屋は今日も開いていない。
 なんしとんやミッコネン(標準語訳:スブラキ屋のおっさん、何をしているのだ!)。もしかして気のむいた日しか営業せんっちゅうやつかいな。この店の名前はこっちの言葉で『気まぐれ亭』とか云う意味やったりして・・・。

 仕方ないから市場方面へ向かう。はじめは野菜とかを売っている方を見物。すまし顔のソーセージ屋のにいちゃん(かなり二枚目)は、あっちの方を向いているフリをしていたが、カメラを向けると急にニヤリッとほころんだ。野菜売りのおっちゃんを写していたら、その横でピザトーストらしきものを食べていたじいちゃんも、何ゆうとるんかわからんけど話しかけてきて、一人でうけて笑いだす。やっぱりこんな所の方がおもろいなと思う。
 肉また肉の市場をぬけてタベルナを探す。
 それらしき店をのぞきこんでシュンジュンしていると、食事中のじいさんと目があってしまい、入口はあっちじゃよと指を差して教えられる。意を決して入店すると、何のことはない。いわゆるひとつの例の自助餐庁形式だった。
 ほしいものを指さすだけで、白い上っぱり&コック帽着用の朴訥そうなおじさんが、一皿一皿よそってくれる。スタッフドピーマン、スタッフドトマト、じゃがいものにんにくバター炒め、じゃがいもとズッキーニのラタトゥーユみたいなもんを頼む。
 シダンプリーと言われてギギーと腰掛けると、注文の品、水、パン、ナイフフォークスプーンが次々と運ばれる。
 しえー、んまい。
 パンも大量にありすぎたけど、残すわけにはいかんので、じゃがバタにんにくの皿になすくりつけて全部食べた。ふう、さすがにノドにひっかかるから飲み物を注文する。
 満腹になって緊張感のかけらもどっかへ行ったらしく「すんません、コカコーラひとつ」と人さし指+日本語で注文したら、何の迷いもなくコップとコーラが運ばれる。うへー、日本語通じるやん!明日はスープも頼んでみよう。

フラペー

緊急訂正
紅茶用のパーコレータ
恥ずかしながらこのパーコレータと勝手に呼んでいた代物、ピストンがついていて、ある程度時間が経つとギュぅと葉っぱを底に押しやる器具のことなのですが、実は正確にはメリオールといって、コーヒー用抽出器具なのだそうです!といつもお世話になっているムジカのTeaおじさんの著作に書かれていました。お詫びして訂正させていただきます<'02/6月>

 大満足のうちに市場を退場して歩道沿いの1831と云うカフェに入る。ちらちらと気になっていたものを注文してみる。カフェの前を通る度にクリーミー度160%の雰囲気を漂わせているアイスコーヒーらしきものをチューチューしているのを目撃しては気になっていたのだ。ここでもご多聞にもれずチューチューしているのでギャルソンにあれって何?と訊いてみる。メニューを見て予測をたてた所によると、アイリッシュコーヒー1200ΔPX.なのではないか?それならよう飲まんし、高いからやめとこう・・・と疑っていたのだが、単なるアイスコーヒーで『フラペー』と云うらしい。京都はイノダコーヒーよろしく砂糖やミルクの好みも聞いてくれるので、オンリーミルクだけよと注文する。待つことしばし、シバシンはインドの神。来ました来ました、やって来た。一口ふくむと、うーん、むちゃくちゃ濃い。おそらくインスタントコーヒーで作ってるみたいやけど、テルミはんの注文したフレンチコーヒーと云う代物はどう云う訳か紅茶用のパーコレータで運ばれてくるくらいだから、よっぽどこのフラペーのほうがマシに違いない。

ΨΨΨ

 ホテルに帰る途中コダックの看板が出ている店を見つけたから、現像プリントを頼むことにする。コニカのフィルムケースを見せながら頼んだもんだから、しきりにフジでもセイムプライスだからフジにするのじゃよとおじいちゃんが勧める。奥から食事中だったばあちゃんまで出てきて勧める。コダックの店やのに、なんでそんなにフジにこだわるんや?しかしフィルムを買いに来たわけではないのだ。
 「ノー、ノー、プリントアウトよ」
 「あー、フォトォー。それならここを出てまっすぐ行って左に行ってビッグチャーチの所に行きなされ」
 と残念なのか嬉しいのかわからない口調で教えてくれた。
 ということでそこに着いた。
 「はいはい、1時間でできるよ!1700ΔPX.です」
 おう、さすがに観光立国、はやいねぇ。
 「あ、そうそう、大事なことを言うのを忘れてた。実はこれハーフサイズ、オールドスタイルなんですけど・・・できますか?」
 「えっ?ハーフフレーム?あれはうちのマシンではできないんすよー、ソーリーソーリーミスターアシモトー」
 あじゃぱー、どぅびどぅばー。まあ、できんもんはしょうがないねぇ。バイバイ。

 帰って来て改めて換金したお金を勘定してみる。どえらい枚数や。たった一枚のTCがこんな札束になるとは、やめられまへんなー、こりゃこりゃ。である。

ΨΨΨ

 いつもこうなのだ。
 この1皿はいらなかった。と食べだしてから思う。
 スブラキ2つは多かった。同じスブラキといっても昼にたべるクレープ風のものではなかった。かなりボリュームがある。道理で1つ1300もするはずだ。失敗を半分は承知で近所にある観光通りのタベルナに入った。あの『気まぐれ亭』のスブラキ屋とはほんの100mくらいしか離れていない。ここの型は、全て別々に出てきて、自分ではさんで食べるということがわかった。けずった肉はかなり塩からい(もしかして飲み物を注文させる作戦か?)。玉ねぎ少々。トマト2切れ。ソースも選択しなければいけない。
 文字を見てもよく分らないから「うーん」と腕をくんでいると、
 「これがグッドテイストだ」と兄ちゃんがメニューを指さす。
 「これがナンバーワン?」
 「イエスっ」
 「ほな、これっ」
 と注文したのがヨーグルトにキューリが入ったソースだった。これってインド料理の口直しみたいな時にでてくるやつに似ている。
 この型のスブラキはギロスという単語がからんでいるらしい。同じスブラキでも似て非なるものだ。このギロスは二度と注文しないでおこうと誓うのであった。あー、ハラいっぱい。

(c)1995-2002 HaoHao

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