う ま か 不 思 議 ハ ワ イ イ ─ ワ イ キ キ 篇 (上) その2
ヨーグルトさえも、まずかった。 ブラウン印のメープル味も相当まずいと思ったが、テが買ったオーガニック印ブルーベリー味は空前絶後、化粧品を食っている気分になる。受ける印象とは裏腹に太ることを気にしているらしいのか、ほとんどの乳製品はローファットものばかりだ。だいたいローファットでうまいものはないのだ。そうでないものをと選んだつもりだったが、よく見るとさらにまずいと思っているノンファットであった。二度と買うまい。 朝7時半からパイナップルジュースとコーヒーの無料サービスが始まっているが、ガラにもなく恥ずかしいのか遠慮してしまった。
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送り迎え… ということだから、あの太っちょロコ兄ちゃんが特別出血大サービスしてくれたという訳ではなかった。 デューティーフリー度… もちろん、免税品を買う為に行ったわけではなく、ビーサンを買おうと入った店がたまたまそういう地域にあったというわけです。
明日空港へ行くためのバスの予約を公衆電話でする。 昨日ロコねえから買ったチケットの裏を見ると、ホテルまで送り迎えしてくれるものらしいから、そこに書いてある番号に電話すればちゃんと迎えにきてくれると書いてある。しかもリザベーション専用の番号だから、「リザベーション、トゥモロー、プリーズ」と言うだけで話が通じるから恐れ入る。わしってけっこうエライ! ゴマンとあるABCストアのうちかなりデューティーフリー度の高い地域にある1軒に入ろうとすると「スミマセーン」と西洋おばさんに声をかけられた。 首からぶら下げる名札のようなものをちらつかせながら、ポリスの許可はとってありまーすと枕をおかれて、結句断るに断れず7ドル払わされてしまった。
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詰まるところ何の募金活動だったのかハッキリしないが、「あなたはそんなにブクブク肥えていますが、世界には今も飢えている子供がたくさんたくさーんいるのでーす」ということらしい。 確かに肥えているのは7つの大罪の1つだとは思いますが…と反論をするべきだったと後になって業腹になるくらい眉唾ものだが、「九州の会社員は5千円、学生さんは10ドル出してくれまーした。西洋人は無視をするからとても失礼でーす!あなたがたはビンボーだから1人10ドルでケッコウでーす」なんぞと言われたところを「いやホンマに貧乏やから5ドルにまけといて」とやり返したつもりが、 「いいですよ、1人5ドルね」とやりこめられた。 そんなアホな。なんで募金の金額を決められなあかんのじゃ!わし1人ならケッコウでございま〜す!と逃げるところだが、なぜかマジックにかかってしまい、「いやいや二人で5ドルということで勘弁してつかアさい」とポケットから掴み出したのが7ドルだった。シット!なのであった。
使いこまれた感じが何ともいえない4WD車。日本で見るよりもしっくり来るのであった。
ビーチに出るとなるほどハワイやのうと納得する。こんな所に長ズボン革靴で存在していることに罪悪感を覚えた。穴場中の穴場であるらしいニューオータニナントカというホテルを偵察にゆくことにする。もちろん歩きである。日本人ツアー客専用らしいトロリーバスには涼しそうな人々がたくさん乗っている。羨ましいような気もするが、見せ物みたいでやっぱり恥ずかしい。負け惜しみだけど、あそこに乗っていないということがわしのアイデンテテーであると自覚した。
さっきから写真を撮っている。向こうからやってきたオヤっさんがチラッとこちらのカメラを見たような気がした。案の定、そのカメラは何だい?と訊いてきた。 自分でもびっくりするほど滔々と言葉が出てきた。やっぱりわしってエラ〜イ!でもあとで考えるとメーカー名といつごろの製品なのかを言っただけのような気がするが、しばらくカメラ談義に花が咲いたような気になっている。
ピンク色ホテルにあったパナマ帽屋さん
そのあたりは店らしいものもなく、なるほど人も少ない。いるのはビーチにパラパラといった具合だった。ピンク色ホテル前のビーチを100%とすれば、ここは30%といったところか。 時分どきだから、そのホテルのレストランに入ることになった。けっこう有名なところらしい。ロコたちがプロポーズする時はここでとかなんとか云々。 まずおばさんがやってきてドリンクをどうするかと訊いてくる。ホントは水がいいんだけど、それじゃ許されないような気になってしまう。しかもドリンク類はメニューに載っていない(ような気がした)。 コーラ、セブンアップ、コナコーヒーなどがおばさんの暗唱するリストにあったような気がするが、なにしろ早口だ。まさかコーラやコーヒーを飲みながらメシは食えんし…。ハイネケンという言葉が聴きとれた。
見栄を張ってビールを頼んだ。しかも1人1本。ご案内の通り、わしはアルコールに弱いのだ。ホントは2人で1本でもいいかもしれない。 旅の終盤には度胸もついて、断ろうが水だけにしようが怒られない。それよりも中途半端な態度のほうが機嫌を悪くしてしまうようだということに気がついた。ドリンクはと訊かれたら堂々とワラプリーズと言ってのけることにしたが、それはあとの話だ。 そのおばさんが担当かと思いきや、食いもんの担当は別の人に替わる。おばさんはドリンク専門家で、あとの面倒は見てくれない。本当の担当は若いロコ兄ちゃんだった。なんとかビーフバーガーというものを頼んだ。 噂どおり、デカい。付け合わせは定番フレンチフライ、オニオンリングだった。ホテルのレストランだし、これで10ドル少々は妥当な線ですかな。でも本音を言えばモスバーガーのほうが好きだ。取り立てて素晴らしいサービスだ!とも感じなかったが、もちろんチップは15%相当を置いてきた。
このホテルに来た本来の目的は、後半のホノルル滞在のためのホテルを探すことにある。明日からハワイイ島へ行き約1週間後、またホノルルに戻って3日を過ごす予定にしている。その時のホテルはまだ決めていないのだ。 幸いなことにフロントには日本のおねえさんがいて(ニューオータニというくらいだから当たり前か?)、話はよく通じたが、連続して同じ部屋というのは空いていないし、けっこう高い部屋しか残っていなかった。う〜ん、どこが穴場中の穴場や…!
このあたりは、たしかにちょっと街中からはずれていて、落ち着いたホテルライフが満喫できる…に違ない。
例によって、目の前にビーチが広がっている。人はかなり少ない。半分オープンエアーのようなもので、大きな木が日陰を作っていた。全てのレストランに言えることだが、水はいくらでも注いでくれる。しかもうまい。この点がヨーロッパとちがうので、ちょっと新鮮なのだった。
もう探すのも面倒だし、結局今泊まっているこのハワイアナホテルに決めた。今度は正真正銘95ドルの部屋を予約した。 念のため見せてもらうと、ベッドがW1つとS1つになり、風呂オケがないというくらいで、今の部屋と70ドルもの違いは感じられない。う〜む、解せん。 日本人風ねえさんは、ここならいくらでも空いているみたいな口ぶりだった。周りは騒がしい地域なのにここだけ妙に静かだ。こっちのほうが穴場中の穴場なのではなかろうか?
ハワイアナホテルのおそらく一番いい部屋のドア 街のど真ん中にあるのに、1歩なかに入ると妙に落ち着く。全く高層ではないから(最大で4階建て)ホントにおすすめのホテルではなかろうか。といっても、他のホテルに泊っていないから、なんとも言えないけど。
晩7時、性懲りもなくベトナミアンへ。今夜はアラモアナ地区にある格安の店だそうだ。 果たしてなかなか見つからない。どうも間違いらしいと判断して、横道に曲ったそのほんの10m先の奥まったところに、結局存在していたのだった。横道からそこまでぐるぅりと大回りして、諦めて帰ろうとしたところで発見した。いつもながら艱難辛苦である。 昨日よりアットホームな感じの店だ。フォーの味はちょっとだけおいしいかな?昨日も今日もだが全体的に甘みが強い気がする。テの頼んだ定食のライスはうまくなかった。炊いたというより、ゆがいたようなベチャメシだった。一応本場のメシ屋のライスがこれでは先が思いやられる。ライスは頼まないことにしよう。 皿料理を食べ終った時点でさっそく勘定書を持ってくる。デザートはいかがですかと聞きにはこないようだ、この国は。勘定書を一旦断って、もう一度メニューをもってきてもらう。 タロタピオカとバナナタピオカを頼むが「ノォー、タロー」だそうなので、バナナ1つのみを注文した。問屋から買ってきたままのようなプラスチック容器でサーブされたが、昨日のより遥かにうまかった。
ワイキキビーチの夕暮れ
今日は満月だそうなので、ワイキキビーチで月見としゃれこんだ。 ホテルから3分ほどでビーチに出てしまう。こんなに近かったのか。海がきらきらと光っている。 浜辺は全てと言っていいくらいホテルが面している。もちろん1階はレストランになっている。上品に白いスーツでビシッと決めた楽隊がハワイアンを演奏しているレストランもあるが、すぐ脇のレストランでは、「コパカバーナ」をノリノリで歌っている。カラオケは世界の文化になりつつあるのか、やはりアメリカにもこんなおっさんがいるのであった。 帰り道にあるフルーツショップでパイナップル1個$2.6(Tax0.1)を買って帰った。
(c)2001-2002 HaoHao
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