う ま か 不 思 議 ハ ワ イ イ ─ ワ イ キ キ 篇 (下) その1

XXX//X…
クスクスと読む。大阪MBSラジオで1999年10月より2001年3月まで放送された深夜番組。特に下田逸郎がパーソナリティの水曜日はHaoHao的にはラジオ番組の金字塔に記録されている。

下右:ホノカアの表通り
下左:一歩、路地に入るとこんな感じ

 ホノカアという町(というより村といったほうが正確かもしれない)はなかなかいい集落のように思えた。
 コナのようなざわめきもなくヒロのように死にかけているのでもない。ヒロはヒロでいいのだが、ここはほんとにこぢんまりと纏まっている。
 ここはヒロから北上して、ハワイイ島のほとんど北端付近に位置している町と思ってもらっていいだろう。
 ここに件のニックさんがB&B兼ギャラリーを営んでいるらしいのだけれど、どこだかわからなかった。この町から下田逸郎のラジオ番組「XXX//X」を放送しようとしたけれど、何かの都合で他の町からになってしまったという逸話が残されている。まったくどうでもいい話だけど。

シュリンププレート…
わしのハンバーグに比べてテの海老はちょっぴりしかなかった。やはりシーフードというものは洋の東西を問わず高いということでしょうか。

しかも3枚…
3枚という数字はちょっとびっくりする。普通日本の感覚だと2枚までだと思うのだが…でも嬉しくなる。

また行きたいものです、ドライブインTEX。

 トラック野郎御用達のドライブイン、TEXという店でひるめし。
 [わし]ハンバーガープレート、つけ合わせはフレンチフライとマカロニサラダ、[テ]シュリンププレート+ライスとトスドサラダ、コーヒーSを2つ。
 注文するシステムとしてはカフェ100と似たようなものだが、こちらのほうが少しグレードが高く、つけ合わせとドリンクも注文しなければいけないようだ。まあ、マクドナルドの「ごいっしょにポテトとドリンクはいかがですか?」と同じ筋合いのものかもしれないけど。
 ハンバーガーを注文したはずなのに、しばらぁく待たされてようやく受け渡されたものは、ハンバーグだった。しかも3枚。
 
ガーとグでは大違いだ。それならつけ合わせにはライスを選んだのに…。おかずがある限りごはん(つまり炭水化物系のもの)を食べ続けることができるのが特技のわたしは、逆におかずだけを食べるというのが苦手なのであった。
 それを除けば、お子様メニュー人間なわたしにとっては、うれしくなるランチだった。トラックの運ちゃんらしき人々はほとんど、ジュースバーというのだろうか、押さえるとジュースが出てくるあの器械に巨大な紙コップ(コカ・コーラのロゴ入り)を押し当てて、氷をゴンゴン出しながら炭酸系飲料を注ぎまくっている。お子様メニュー人間のわたしでも、あれだけはしたくないと思うのであった。
 炭水化物の誘惑に勝てずにテのライスを少しもらったら、ここのもベチャめしではなく、日本で食べるそれと大差のないうまいごはんだった。ハワイイ島自体もそうだが、特にこちらの東側のごはんは上手に炊けているという統計結果が出たことになる。

途中で寄ったワイピオバレーの崖上にあった家。

空港…
なぜヒロの空港からにしなかったか…レンタカーを借りた所以外で返却するとチャージがかかるとのことで、それがけっこう高い。それとガソリン代とを天秤にかけた結果の選択であります。

アロハ航空のチェックイン風景。おねえさんがアロハしています。

 快調にすっとばし、1時20分にコナにたどりついた。シェルのスタンドでフィル・イット・アップにし、空港への道に左折した途端、はじめての渋滞に巻き込まれてしまった。

 時間は刻々と過ぎて行く。
 こんな時こそ落ち着きが肝心だと、アロハスピリットにならい、他の車に道をゆずったり、割り込ませてあげたりした。いやぁこういうのも気持ちいいもんですなぁ…てへへ。

 殆どの渋滞がそうであるように、あるポイント(道路工事をしていた)を過ぎると、ウソのように急速に流れ出し、時間どおり、2時ピッタシカンカンにレンタカー屋にキーを返す列に並ぶことができた。パチパチパチ。さて、あとは傷つけたのをどう言われるかである。
 なんと、拍子抜けしてしまうことに、何の問題もなくハイ、オッケー、サヨナラと手を振られただけである。
 苦心惨憺な思いで書いたアクシデントリポ−トなんぞ見もしない!はいはいと言って(いや言ってないか)それ専用らしき箱に入れるだけである。それにしてもこのおばさんはチトえらそうなタイドだ。まぁ、でもめでたしめでたしである。

情報が…
「地球の歩き方」はやっぱりなんと言っても頼りになる本に違いないが、実際問題、情報を提供(投稿)している人の個人的な嗜好を基にした意見だったり、たまたま、運がよかっただけかもしれない情報が寄せられていたりしていると思われるフシがある。
そう言うとこの「うまか不思議」なんか、その最たるものだということは棚にあげて言わせてもらいますが、昔イタリアに行った時、自信たっぷりにおすすめされていたレストランがサンタンたるものだった出来事は脳みそのシワに深〜く刻み込まれていますぞ。
もちろん、情報の鮮度ということも十分考えられ、そのタイムロスの間に、経営者が替わってしまっている…ということもママありますがね。

 帰ってきたホノルル空港。こないだのバスにしようとしたり、市バスをいちかばちか試してみようとしたり…とウロウロしていると、リムジンサービスがやってきた。日本で言うところの…う〜ん、何て言うんだろ、ステーションワゴンとでも言うんだろうか、9人乗りくらいのハコバン、タウンエースみたいな車だ。リムジンというと、長体のかかった黒塗りのイカツイ車だとばかり思っていたので、これなら乗ってもいいかなと思った。
 どうやら、その地点で待っていた西洋人ファミリーを乗せているようだ。とにかく訊くだけ訊いてみよう。荷物を揺すりながら駆け寄りホノルルまでいくら?と質問した。
 9だと言う。
 即座に、あ、ノーサンキューと踵を返す。
 運ちゃん(チョウ・ユンファ似)がスミマセン!と言って追いかけて、耳もとで「エイト」と小声で囁いた。
 ほんとはそれでも高いのではないかと疑ったのだが、テがもーえーやんとという顔をするので、乗せてもらうことになった。

 初日とは違う道を通っている。
 高速道路ではなく地道のようだ。こちらの道のほうがいわゆるハワイらしい景色である。
 相乗りの一家四人組とチョウ・ユンファは和気あいあいとおしゃべりしている。大黒柱さんが運ちゃんのご機嫌をとってギャグを飛ばしているようにも見える。西洋人特有のサービス精神というやつでしょうか。それに比べてこちらは(あくまでもわたし一人の一存だということをお断りしておく)例によってウタグリ星人化しているという情けない状態であるが、これも性分なので致し方ない。
 ガイドブックによると、このリムジンサービスの値段は6のはずである。表面上は9のところを1まけさせたので、こちらの面目も立っているような気もするが、同乗のファミリーにはガイドブック通りの6と言っていたとしたら口惜しい。6のところが8になっているということはチップも上乗せしているのに違ない。ということで支払いはきっちり16だけにしようか、でもこの情報が古いもしくは間違いだったとしたらそれも後味が悪いし…と心は千々に乱れ鬩ぎあいの末、二人で1という折衷案で対処することにした。

165ドルの部屋…
つらつら考えるに、この165ドルの部屋ってのは、こういうトラブルの対処用に設定している部屋ではないのかと考えられる。誰だって頼んでいた部屋より高い部屋に同じ値段で泊めてくれると言われれば、でかかったモンクも引っ込むというもんです。
メーカー希望小売価格を割増に設定しておいて割引率をハデに大きくうたって目立たせるのと同じようなもんではなかろうか。しかし、わしもよぉここまでジャスイができるなぁ。



 ホテルの近所までやってくるともうこの辺りは慣れた感じがして、ちょっとなつかしくなぜかホッとするものがある。
 チェックインすると、先日予約する時に見せてもらったのとは違う棟だと言うので、試しに、リザベーションの時はこっちのサイドだと言ってたけど…と見取り図を指さしながら言うと、えっ?そう?う〜ん、と少し迷って、オーケーオーケー、じゃ、こっちの165ドルの部屋にしてあげますと、またもや前回と同じ棟の2階のキーを渡された。
 そこを開けると、スーツケースがごろんと2つ3つまだころがっている。
 ???
 ありゃりゃと引き返し、誰かまだいまっせ、スーツケースがまだおますと申し述べた。この程度なら会話帳をいちいち見なくてもなぜか言えるようになるから大したもんだ。
 おねえちゃんは再びあわてて、う〜んとえーとそのーと、結局もともと言っていた134の部屋にしてちょうだい、プライベートラナイもついているわよ、えへへー、となってしまった。

 ま、しょうがないっスね。でも1階っていうのはちょっとなぁと言いつつドアを開けたら、こちらのほうがかえって良かったりするから世の中わからない。
 なんと言っても部屋から直接プールに行けちゃうのだ。プールでは泳がないとしても、ラナイがあり、植え込みがあり、その向こうにプールがあるという図は、こりゃぁA Long Vacationの永井博の世界をホーフツとさせるものがあり、小市民なわしは恥ずかしながらそれだけで嬉しくなってしまった。しかも、風がよく通り涼しいときている。これだったら、前回の165ドルの部屋より断然いい!

夜のプライベートラナイ

 しかーし!あるはずのパイナップルが冷蔵庫に入っていない!楽しみにしてたのに。
 またもやかしこいわしはおねえちゃん(誰かに似ていると思ったら、答えはタレントの柳沢慎吾だった。柳沢慎子と名付けよう)に言いに行った。
 「今日はパイナップルサービスはないのですか」
 「そのサービスは最初の日だけなのよ。あなたはいつ到着したの」
 「今日です」
 「えーっ、部屋番号は?」
 「134」
 「あら、えっ、うっそー、ほんとー?オッケー、あとで持って行きます」
 「サンキュー、わっはっはっ」

 プールを眺めながら、とても気持ちのいい光線と風の中、そうじのおばちゃんがもってきてくれたパイナップルを食べてから、すぐそばの浜を散歩した。
 ハワイイ島にはない、にぎやかさ、お気楽さにあたりは満ち満ちていた。前回はそんなことは感じなかったのに、あちらから帰ってきてなぜかそう感じてしまう。いままでカンコーチ批判を幾度となくくり返してきたわけだけど、こっちはこっちでいいじゃないか、と思った。

 本日のばんめしは、コンビニ買い出しラナイ食いとなった。
 サンドイッチとペリエ、ワイン少々。サンドイッチはうまくない。が、こうやってここで食べるのもとても気持ちのいいものだった。

(c)2001-2003 HaoHao

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