う ま か 不 思 議 ギ リ シ ャ 篇 ● 5 月 24 日 ● ポ ロ ス 島 へ
アテネの街角で 見かけるマンホ ール(?)のふた。
今朝はグリークコーヒーにしてみたら、こないだカフェではじめて飲んだのと同じくらいの味だった。 500ΔPX.ものチップを置きホテルをあとにした。しめて3日分33,000。さらばジャン・ピエル・レオ、である。駅に向かう途中、もしやと思いミッコネンのスブラキ屋もうでをすると、何と!営業をするみたいだ。カミさんらしき人と一緒に仕込みを始めていた。パチパチと拍手を贈りたいが悔しい気持ちも半分ある。
電車に乗ってピレウスと云う港町に向かう。駅で例のクルーリーと甘いドーナツ計200ΔPX.買う。サッサと乗り込み、途中の駅での乗り換えもつつがなく成功した。なかなか板についてきたようだ。 さてピレウスの駅から(20)のトロリーバスにスタコラサッサと乗り込む。目的地はポロス島行きの船着き場のゼアと云うところだ。んでもって落ち着いていたら、どうやら逆方向に乗ってしまったようだ。どうしたもんかいのー。ま、トロリーやからずっと乗ってたら遠回りでも何でも連れてってくれるやろと、さらに落ち着いていた。そうこうしてるとバスは止まり、我々以外の客は全員降り、あろうことか運ちゃんまで降りてしまった。 見ていると運ちゃんはジュースを買っている。うまそうに飲んでいる。と、ちらほらと客も乗り込んできた。つまりちょっと休憩といったところで、まあ大丈夫であろうと決めることにした。ところへ運ちゃん帰ってきて、こちらを見たと思ったら近づいてナニゴトカを喋ってきた。そんなもん分かる訳ないから行き先である所の『ゼア』と言ってみると 「ドルフィン?フライングドルフィン?」と聞き返してくる。 ――そう言えば、旅行代理店の日焼け兄ちゃんが「あれはドルフィンって言うよりカマキリみたいだよねぇ」と言っていたような・・・ 「イエスイエス、イエース」と返事した。 「あー、そりゃこのバスは行かんっちゃよぉー。えーとね、んーとね、そうそう9・0・5ステイションでね、ストップでね、ほんでもってレフトにずーとね。9・0・5のブルーのバスだがね」と運ちゃんはのたまった。 「なんじゃそりゃぁ」 降りようとすると、先ほど乗り込んでいた客αの兄ちゃんが「ちッちッち、そのままそのまま」と言って我々を制した。 「ずーっとこのまま乗ってても、あそこには行くんじゃないのか?」と兄ちゃん。 「あ、それもそうだね。いやね、905に乗り換えた方が早く行けるからと思ったもんだからよ、まー、あんたの言ってることの方がこの人らにとっちゃぁ、ややこしくなくていいかもしんねぇよな。よし、あとはあんたにまかしたよ。ほい、あんたら、この人の言う通りにしといたら間違いないかんね」と運ちゃんは兄ちゃんを紹介してくれた。と我々の頭脳は理解した。
大船に乗ったつもりでゆらゆらトロトロとトロリーバスに揺られていると、兄ちゃんが掌を上に挙げる仕草をするので立ち上がり、一緒に降りると、そこは振出しで乗り込んだピレウス駅だった。ありゃりゃ、ステーションつうのはここのことだったのかい。兄ちゃんは時々振り返っては目で『ついてきなよ』と言っているようなので、そのまま従う。道路のまん中だけど一応バス停らしき所で待っていると青い905のバス。 「あれ?」と指さしてみると、うんうんとうなずいた。 さらにそのまま905の止まっているバス停まで連れてってくれた。 「ここで君らはちょっとだけ待たなくてはいけない。ではこれで」と少しテレながら説明してくれた。 「エファリストー」と礼を言うと『なんの、なんの』とでも言いたげに、人ごみの中に消えて行った。後ろ姿も少しテレている。 905が走り出して10分経つ。 「おかしいなぁ、もしかして通り過ぎたんちゃう?」と不安を口に出すと、テは迅速に行動を開始した。いきなり前のママさんに地図を見せて聞いている。 「ちょっとわからないわねぇ」と言ってる感じ。 すると後ろの方に座っていたジェントルマンα(62才)がやってきて何か言ってくれる。例によって「フライングドルフィン」と言ってみると「ここの丘を越えて向こう側に行った所じゃよ。わかるかね、さよう、あと10分待てばよろしい、おっほん」と言ったと理解した。 しかし先ほどのことがあるのでいま一つ不安であったが、ジェントルマンαが降りる時に「あの紳士も同じ所で降りるので、彼について降りなさると良いじゃろう、おっほん」と別のジェントルマンβ(58才)を指名した。ジェントルマンβは『そういうことじゃよ』と片手を挙げた。 約10分後、ジェントルマンαの言う通りビーチが見えはじめ、そろそろかなと思っていると約束通りジェントルマンβが掌でそろそろ立ちなされと言ってくれるので、それに習って立ち上がり続いて降りた。礼を言う隙を与えずジェントルマンβはさっさと坂の上に行ってしまった。肩がジェントルマンしていた。
切符(二人で5,600ΔPX.)を買っても、出航までに1時間も間があるのでカフェに入り、アイスコーヒーとレモンジュースを注文した。続いて横にプリティウーマンの主演男優似の男が座りニヒルにアイスコーヒーを注文していた。黒ネコの執拗な攻撃に堪えぬき、約1時間後、船上の人になった。主演男優男も続けて乗り込み、一番後ろのデッキでニヒルに主演男優していた。けっこうな揺れに始まり、中盤はおだやか、最後はまた大揺れで締めくくられ約1時間、漸くポロス島に到着した。
インフォメーションはどこかいな、んー、とりあえず左に向かう。インフォメーションを発見すると同時に車がキキーッと止まったかと思うと「ハァロォー、ホニャララー、メェイアイヘルプユッ」とおばさんが踊り出してきた。考える隙を与えず「カモンカモン」とインフォメーションの中に連れて行かれる。 「うちのホテルはこの一番上の写真よー。とぉーーーってもビューティフルでとぉーーーってもクリーン。部屋にトイレもシャワーも付いているわよ。ぜひ是非ぜぇーひっ、うちに来なさぁーーーーーーーーーいっ!」だそうだ。 うーむ怪しい。 ホンマかいなとインフォメーションのおねえちゃんを見ると「ベリービューティフル、スペシャルプライス」と太鼓判を押している。しかしどことなくひきつりながら言ってるようにも見える。またもや考える暇なしに「見るだけでも見にきなさぁーい!」と車に押し込められた。
ポロス島のド迫力おばはん ディミットラ
ここにはとても書き切れないほどの説明を受け、一番初めに見た部屋に泊まることにした。4日間で28,000だけど、10日間なら54,000にするから10日にしなさい、ポロスはとってもいい所よと言われたけど、そんな勇気はないので4日で結構ですと申し伝えた。 契約が締結したところで「コーヒー飲みたい?」と訊くのでイエスと頷くと、「そっちのベランダに座って」とおばさん一家のベランダに通されネスウイズミルク(つまりネスカフェミルク入り)をご馳走になった。ただしミルクは缶入りのものだった。 旦那さんは近所の教会で神父さんをしている。カリメーラと言いながら握手をした。小太りで赭ら顔の70才くらいに見える親爺だった。シンプソンと名付けることにした。おばさんはディミットラと云う名前で、今度来る時は真珠を持って来て、高く買うからと言っている。安く買い叩かれる怖れは十分あるが、真珠って日本の名産なのか?
ちょっくらスーパーマーケット(どこがスーパーや)方面に出動するべくホテルを出ると、後ろからディミットラが追いかけてくる。「私もこれからオフィスに行くからシーユーレイターね」と車に乗り込んだが、バックするのに手間どったらしく、マゴマゴしているディミットラに追い着いてしまったらドアを開けて乗せてくれた。車を降りるとそこは、さっきのツーリストインフォメーションの前だった。じゃあねとドアを閉め、車の鍵をジャラつかせながらインフォメーションに入って行き、さっきのおねえちゃんを押し退けてディミットラはカウンターの向こう側に座ってしまった。つまりここのボスだった訳だ。ほんでもって自分のホテルをとにかく一番に紹介している・・・ということか!なんちゅうエエ商売や!日本やったらこんなおばはんは一発でリコールされるんちゃうか?しかしここはギリシャ、してやられたりであった。
這這の体 =ほうほうのてい 花のおじさん こんなおじさん、日本じゃ浮いちゃうだろうけれど、ここでは妙にしっくりきている。ちょっと太目だけど、それもまた味がある。
スブラキ求めて炎天下歩いて探すが発見できず。うーむ、まずい。仕方ない、あれで我慢するか・・・。 世界中どこでもありそうな名前のゲームセンター兼菓子屋『UFO』の前に立ち「ソフトチーズパイとクリームパイ1個づつプリーズ」と言うと「ソフトチーズは売り切れなの」と断わられ、「然らば普通のチーズパイとクリームパイを所望したい」と言ったつもりが、ほおばってみるとチーズパイとホーレンソーのパイだった。 ホーレンソーはスピナッツと言うみたいだが、クリームとどこか似ているのか?まあ、魚のパイでない分だけマシと思うことにしたが、異常に塩辛いのは許せない。飲み物も買わせるコンタンなのか?それにしても4時だというのに日が高い。 時計台と言われている所に上ったら日陰が全くない。さすがにギリシャ、やっぱり暑い国だったのだ。這這の体で下ると耳に花をはさんだおじさんがスーパーカブに乗って、涼しそうに走っている。 ようやく本来の目的のスーパーマーケット(どこがスーパーや)でグレープフルーツジュースとBOUNTY2と云うスニッカーズ的なお菓子計550ΔPX.を買って部屋に戻ると涼しかった。
タラモ もしかしてタラコ?
ベランダに出ると隣のベランダにはドギモを抜かれそうな美人のおねーちゃんが読書をしていたので思わず「ハーイ」と言って部屋に引っ込んでしまった。屋上に上っても先客ありで再び「ハーイ」と挨拶した。今度のおねーちゃんはそれほどでもなかったのでそのまま居座る。海の向こうを眺めているうちに、さすがに夕方になった。風が吹いてきて肌寒い。 晩飯食いにディミットラご推薦のレストランへ行ってみる。テはソードフィッシュ(太刀魚ということか?)のグリル、わしはシェフズビーフバーガー、あとタラモサラダもとることにした。 シェフズバーガー(どこがバーガーや)は肉と肉の間にピーマンがはさんであり、上にはチーズがとろけている。スピナッツパイ同様これまたとにかく辛い、塩辛すぎる。付け合わせはベイクドポテトフェンネルサワークリームのせ、フライドポテト、粉チーズの振られたごはん。 タラモは何なのかよくわからんけど、まーまーいける。食い終ってからひなケーキのようなプリンのようなシナモン味のケーキをサービスしてくれた。あんまりうまくなかったけどサービスは良かったかな、スーパーマリオ。
No hot water is running.
=「熱いお湯が出ません」の意。6ヶ国語会話帳にそうあった。
帰ってきてシャワー浴びようと蛇口をひねったら[No hot water is running.] やないか! おばはん、えーかげんにせーよ。
(c)1995-2002 HaoHao
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